オズの国の歩き方コラム タイトル画像

注意:このコーナーは『オズの国の歩き方・本編』とはあんまり関係ありません。

第4回:憧れの神ツッコミ
オズ:
「さて、あっという間にコラムも4回目なわけだが、今回はそもそもこのオズの国という――」

ドロシー:
「オズ…あなたもう出てきちゃうの? 早くない?」

オズ:
「いや、もうちょい待とうかと思ってたんだが、あまりの収拾のつかなさに業を煮やして」

ドロシー:
「助かるけど…でも、あなたって全身にネタバレ爆弾しょってるし、正直、絡みづらい…」

オズ:
「お? じゃあひとりで頑張る?」

ドロシー:
「…いえ! いてください!」

オズ:
「素直で結構。…じゃ、話戻すな。それで? そもそも、今回はなんでオズの魔法使いを題材に?」

ドロシー:
「…なんで? なんでって…………ああそうだ!」

「本当は、最初、違うホラー企画があがってて、一時、そっちにかたまりかけてたの。でも、スマホ1発目だし、<迷ヒ家ノ鬼>から結構、間が空いちゃって、はじめてのお客様も多いだろうから、わかりやすい題材のほうがいいんじゃないかってことになって、急激にシフトしたの」

「そうだ! しかも、オズの企画って、あっためられてたストック案じゃなかったのよ。急激なシフトにより、場当たり的に考え出されたもののはず!」

クロウ:
「フーン」

ドロシー:
「あっためられてた企画じゃないから、シナリオが動き出すまで、結構難しかった印象があるわ。しかも初の三人称だし、シナリオライティングのエンジンがかかるのに時間がかかってた記憶が…」

クロウ:
「さんにんしょー、っテ?」

ドロシー:
「ナイトメアのゲームはこれまで『私は』とか『俺は』とかの、主人公視点の一人称だったでしょ? オズでは『ドロシーは』とか『クロウは』っていう三人称視点なの。担当者は『神視点』って呼んでるみたいだけど」

オズ:
「確かに、そこはちょっと特徴的かもな。三人称視点自体はそれほど珍しくないけど、つっこんでくる『神』はあんまりいないから」

レオン:
「原作の『オズの魔法使い(参考文献:岩波少年文庫)』が、三人称だものな。おおかた、それに沿ったのであろう!」

オズ:
「まあなあ――」

ドロシー:
「と、思うでしょ。実は違うんだな!」

オズ:
「えっ、そうなの?」

ドロシー:
「もちろん、原作みたいにちょっとおとぎ話風にしたかっていうのもあるんだけど、インスパイアされたのは――<鬼ヶ島>です!」

レオン:
「おにがしま…?」

ドロシー:
「ディスクシステムの」

レオン:
「でぃすくしすてむ…?」

ドロシー:
「そう、ご存じ、任天堂の名作アドベンチャー! そのゲームのナレーションがね、たまにつっこむのよ。幼心に、すごく印象深くって、いつかこういう感じのをやってみたいなって担当が思ってたんだって。で、オズをやることになったとき、ここだ! と思って」

「いやー、なんせ基本的にナイトメアはホラーだからね。こんな脳天気なノリで書けるのは、もう、これが最後かもしれないからね!」

ジャック:
「確かにホラーではとりにくい手法であるかと存じます」

オズ:
「血みどろの現場でつっこんでたら、お客さんから、それどころじゃないでしょ! って、つっこまれるもんなあ」

ドロシー:
「でしょ。三人称の可能性なら今後もあるかもしれないけど、こういう神ツッコミのスタイルは、これが最後かもしれないから」

オズ:
「まあ、オズにはあってたかもな。…しかし、ディスクシステムって……」

ドロシー:
「なによ?」

オズ:
「いやあ、担当の年齢がばれるなあ、と思って…だいたいのお客さん、存在自体知らないんじゃ?」

ドロシー:
「…ふふん、甘いわよ、オズ。ディスクシステムくらいで、きょとんとしてもらっちゃ困るわ。…オズのメインプログラマーはなんと、バーチャルボーイを実地で知る男よ!!」

オズ:
「バ、バーチャルボーイ!?」

クロウ:
「…テ、何?」

レオン:
「さあ?」

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